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インタビュー東北の魅力を語る
木村文乃さん

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東北の魅力を語る木村文乃さん=東京・赤坂
東北新幹線の全線開業から約1年後の2011年11月、東北地方の観光振興と東日本大震災からの復興を後押しするJR東日本のキャンペーン「行くぜ、東北。」がスタートした。そのメーンキャラクターに起用され、12年の冬から東北各地でロケしたテレビCMが放映されている。

「鉄道で行く東北の旅」をテーマに、旅をしないと出会うことができない東北の人、食、風景、文化を取り上げている。冬と夏のバージョンがあり、12年の冬から山形県の舟形町と朝日町、岩手県の大船渡市と宮古市、青森県弘前市、福島県三島町、秋田県八峰町などを巡り、東北らしい雄大な光景に包まれながら各地の魅力を紹介した。

朝日町の「りんご温泉」のロケ当日は雪が降りしきり、天候を気にしながらの撮影となった。胸までの積雪があり、スタッフがほぼ全員で雪かきしながらの作業。辺りには露天風呂に浮かぶリンゴの甘い香りが漂い、上空を白鳥が飛んでいた。雪国らしい幻想的で印象に残る光景だった。
夏の東北も魅力的。東日本大震災で大きな被害を受けた大船渡漁港の細浦地区で、地元の漁師さんと共演した。どこまでも続く太平洋がきれいで、東北の海の美しさに魅了された。まだ復興の途上だが、皆さんおおらかで、楽しく撮影できた。われわれを温かく迎え入れてくれたのが忘れ難く、東北の方々の心の広さを感じた。

東北は春、夏、秋、冬それぞれが素晴らしい季節で、これからもCMで魅力的な東北の四季を紹介したい。ロケを通じ、東北は広いということをあらためて実感した。撮影で訪れるたびに各地で個性的な地域資源に触れ、新たな発見をしている。

木村文乃(きむら・ふみの)さん 2004年の映画「アダン」のヒロインオーディションで、3074人の中から選ばれ女優デビュー。代表作はNHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」、TBSドラマ「マザー・ゲーム」など。テレビCMはJR東日本のほか象印、ニベア花王などに出演。東京都出身、27歳。