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人・産業若者が全国から集い
農業に活力

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若手社員が多様な事業の中核を担っている西部開発農産
北上市和賀町後藤の西部開発農産(資本金2697万円、照井勝也社長)は、本州最大規模の延べ作付面積850ヘクタールを誇る複合型農業法人。大規模土地利用や多様な事業展開、海外進出を進める同社の中核を担うのは平均年齢30歳の若手社員。農地保全への貢献や意欲的な企業風土、食料自給率を高める使命感を掲げ、全国から人材を引き寄せている。

正社員40人のうち、半数以上が20、30代。農業を志す若者が毎年、全国から集まっている。大阪府吹田市出身の西村晶(しょう)さん(21)は、金ケ崎町の県立農業大学校で学び、今春から同社生産部で野菜を担当する。夢は県内で新規就農することだ。「多様な品種を知り将来に生かしたい。会社のさまざまな取り組みを学べてやりがいを感じる」と目を輝かせる。

同社は1986年の設立以来、北上市内外に点在する狭小な耕作放棄地などの農作業を受託し、農業機械で大規模栽培を行ってきた。昨年は基幹事業の米と大豆、小麦をはじめ、アスパラガスなど9品目を生産。肉用牛や繁殖牛の畜産、自社製のみそや乾麺なども製造・販売し6次産業化も進める。

同社は2003年、農業を産業に成長させるため、服務規定、育児や介護休業などを定めた就業規則を見直した。年功序列を廃し、能力次第では若手も積極的に昇級させている。

今年2月には、ベトナム・ハノイに海外現地法人「西部農産ベトナム」を設立し、近郊農家に技術指導しながら米の試験栽培も行っている。照井社長は「農商工のバランスがかみ合わないと地域経済は良くならない。それぞれの業種が頑張って人を呼び、地域と一緒に発展していきたい」と、地方産業の在り方を見据える。

(岩手日報)