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インタビュー新産業の軸 打ち立てる

佐竹敬久秋田県知事

「新たな産業の軸を打ち立てたい」と語る佐竹敬久秋田県知事
昔から秋田と言えばコメの産地というイメージがあるが、米価が下落する中でコメ農業に依存し続けたことが本県の人口減少の一因になったと考えている。地方創生の最大のテーマは、新たな産業の軸を打ち立てること。雇用を生み出さなければ、人口減は食い止められない。

「秋田版」総合戦略には、本県の潜在的な可能性を伸ばす取り組みを盛り込んだ。以前から盛んな製造業をさらに活性化させるため、航空機の部品製造を積極的に支援する。農業は効率化と大規模化を進め、牛肉などの食材を積極的に海外へ売り出す。風力や地熱発電など、新エネルギー関連の産業も伸ばしたい。

少子化対策も重要だ。人口を増やすには、各家庭に3人以上の子どもがいることが望ましい。秋田県の第3子以降の割合は全国平均より低く、対策を講じる必要がある。3人以上子どものいる家庭には保育料助成の対象を第2子にも拡張するなど、全国に先んじた取り組みを進める。

首都圏からの移住・定住促進は他県との競争になる。これまでにない切り口でPRを展開し、秋田を印象づけなければならない。メディア大手のKADOKAWAと連携し、これまでにインターネットの「ニコニコ動画」で本県のPR番組を配信するなどした。地域や企業に活気を与えてくれる移住者を積極的に呼び込みたい。

国が地方創生の推進に向けて来年度創設する新型交付金は千億円ほどの見通し。十分な額と言えず、用途にも制限があるなど疑問は残る。地方が活用しやすい形の支援を国に求めていきたい。ただ、人口減対策は先の長い課題。国の姿勢に左右されず、地道に取り組む姿勢が必要だと思う。

(秋田魁新報)