観光台湾の人気男性アイドル、市内の名所でPV撮影
福島県二本松市は都内のマーケティング会社と連携し、台湾からの観光誘客事業を進めている。マーケティング会社は「ヴィジョンクエスト」で、同市出身の安斎隆セブン銀行会長が監査役を務める。古里活性化のために、安斎会長がグループ企業との橋渡しをする形となっている。
今年1月には台湾の人気男性アイドルユニット「SpeXial(スペシャル)」の2人と台湾の女優1人を招き、市内の県立霞ケ城公園などでプロモーションビデオ(PV)を収録した。
3人は県立霞ケ城公園、東北サファリパークなど市内の名所を見学した。座禅や市特産の上川崎和紙を使用した紙すきも体験し、人気店のラーメンや和食を味わった。夜は岳温泉に宿泊した。いずれもPVに収録された。
PVは3月に台湾のセブン—イレブン全約5000店舗で放映された。さらに3人が名所を巡る様子と同市が提供した「合戦場のしだれ桜」など桜の映像を用いた旅番組は3月から4月の毎週日曜日に4回放映された。
台湾から同市へのツアーは6月に計画されていたが、4月の熊本地震の影響で9月に延期になった。PVや旅番組の効果があり、9月のツアー「二本松で心も身体も美しくなって情緒ある日本を浴衣で楽しむ旅」は定員160人が募集から2日間で埋まるほどの人気を集めた。
市は台湾語、中国語、英語でそれぞれ書かれた市内の観光名所を紹介するガイドを作製し、二本松商工会議所、あだたら商工会、市内の各道の駅、岳温泉などで海外旅行客に配布している。
市の関係者は「インバウンドに向けて行政や経済界、市民を挙げて取り組んできた成果が見えつつある」と手応えを感じている。
(福島民報)