食青森県黒にんにく協会 /「世界サミット」で知名度アップ狙う
黒にんにくは、ニンニクを高温熟成させた加工食品だ。甘さが増し、特有のにおいが消える。全国のニンニク収穫量の約7割を占める青森県では、機能性に関する研究発表をきっかけに、柏崎氏が社長を務める柏崎青果(おいらせ町)などが2006年に量産化を始めた。
健康食品として人気が高まり生産量は急増。出荷規格外のニンニクの高付加価値化にもつながった。柏崎氏は同業者で協会を設立し、輸出を本格化。現在、25カ国に展開する。協会が出願した「青森の黒にんにく」は15年7月、地域団体商標に登録された。
だが、満足はしなかった。「地域団体商標を取ることが目的ではない。さらに上を目指すための第一歩、それがサミットだった」
知名度アップを狙い、「ニンニク」にちなみ今年2月29日に青森市で全国サミットを、「クロ」の9月6日に世界サミットを企画した。この間、思わぬ追い風もあった。
昨年12月、ルクセンブルクを公式訪問した安倍晋三首相が、現地の晩さん会で青森県産黒にんにくが登場したことを帰国後の講演で紹介。6次産業化の成功事例と評価した。世界サミットでは、晩さん会の担当シェフを同国から招き「黒にんにく大使」に任命した。
協会の黒にんにくの売上高は現時点で約15億円。柏崎理事長は「われわれは中小企業だが、サミットを続けて仲間を増やし、農家や生産者団体も巻き込みながら50億円産業を目指したい」と意気込んでいる。
(東奥日報)