インタビューとうほくをつなぐ
―東北との関わりは。
「1992年の『べにばな国体』開催前後に山形県に出向し、東北6県を会議などで回った。みんなで協力して頑張ることができると感じた。東日本大震災の直後には厚生労働省で被災地支援を担当し、厳しい状況に力を合わせて黙々と立ち向かう姿が印象に残った。東北人の美徳は世界を感動させた」
―東北の発展に何が必要か。
「多面的に取り組まないといけない。第1点は働く場をつくり、地域経済を振興させること。2点目は、医療や介護、子育て支援など地域生活を確保すること。3点目に、地元に誇りと愛着を持つために地域文化の振興も重要だ。以上3点を同時に進めることが必要になる。第1次産業が活発な地域は元気だ。農林水産業と合わせ、他の産業でも中核企業を振興させたい」
―観光振興をどう考える。
「東北は重要無形民俗文化財のお祭りや縄文遺跡群など観光資源が豊富で、食も魅力的。周遊観光の動線を描く取り組みに期待している」
―東北の若者の首都圏への流出が続く。
「学生など若者が首都圏に集まるのは、地元の企業を知らないことが要因の一つ。企業から若者へのアプローチも工夫する必要がある」
―どんなアピールが必要か。
「国としては、首都圏に出た学生のUターンと地元学生の地域定着を促す『地方創生インターンシップ事業』や、新規事業や販路開拓に取り組む地方企業に都市部等から人材を紹介する『プロフェッショナル人材事業』に、より力を入れる。プロフェッショナル人材事業では、今年3月までの1年半の間に全国から1万2千件以上の相談が寄せられ、地方企業とのマッチング成功は1,000件を超える。
40代以下の若い世代が移住して仕事に当たるケースが7割を占める。自然豊かな地方の生活に魅力を感じる人が多いと感じた」
―「東北Genkiプロジェクト」をどう見る。
「東北はその魅力をもっと活用できるはず。情報発信は重要だ。5カ年の『まち・ひと・しごと創生総合戦略』は今年が中間年。『Genki―』とタイアップして発信を強化できればいいと考えている」
プロフィール
>唐澤剛氏
からさわ・たけし 長野県生まれ。早稲田大政治経済学部卒。1980年厚生省入省。97年介護保険制度準備室次長、2004年保険局国民健康保険課長、09年大臣官房審議官(医療保険・医政・医療介護連携担当)、12年政策統括官(社会保障担当)、14年厚生労働省保険局長を経て、16年6月より現職。
東北の力を域内外に伝えたい
2015年度よりとうほく創生GenkiプロジェクトPR大使として東北の魅力を発信している女優の橋本マナミさんは、東北七新聞社協議会が展開する各種事業で本年度も「東北の元気」を応援していく。
本年度は新たにプロジェクトのホームページで定期的にコラムを掲載し、ツイッターでも発信。主に、東北の「観光」「食」「産業」などのテーマにそってPRしていく。
橋本さんは「東北の四季折々の自然、地元では当たり前でも全国的に低い認知度のおいしい食べ物をもっとPRし、おもてなしの心をもった暖かい人たちや地域を域内外に知ってもらいたい。東北出身者として1年間精いっぱい頑張る」と語った。
◇主催=東北七新聞社協議会(東奥日報社、秋田魁新報社、岩手日報社、山形新聞社、河北新報社、福島民報社、福島民友新聞社)
◇協賛社=イオンリテール東北カンパニー、日本政策金融公庫、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会、ポーラ、明治安田生命保険、ヤクルト本社ほか
◇協力=中小企業基盤整備機構東北本部
◇後援=青森県、秋田県、岩手県、山形県、宮城県、福島県
【公式ホームページ】https://tohoku-genki.com/wp/