観光外国人に日本文化を伝えられる宿にしたい
2020年東京五輪の野球・ソフトボール競技の試合が同市のあづま球場で行われる。土湯温泉は「球場に近い温泉地」を掲げ、温泉地を挙げて外国人観光客の受け入れ態勢の整備を進めている。旅館やホテルの施設の改修やWi-Fi(ワイファイ)環境の整備だけでなく、従業員の英会話習得などハード、ソフト両面での“おもてなし”で迎え入れる考えだ。
ニュー扇屋は昨年12月に、和室2部屋をつなげて和洋室に改修。畳の上にセミダブルベッド2台を設置、トイレをバリアフリー化した。英語版のホームページは今月下旬の完成予定で、館内表示の外国語表記化も進めている。客室と大浴場に英語、韓国語、中国語で入浴マナーや浴衣の着方を伝える説明書を掲示。今後、外国人が指さしで用件を従業員に伝えられる「伝言板」も作るつもりだ。
従業員の英会話習得を進めるのは土湯温泉旅館事業協同組合青年部。6、7月に計4回の英会話講習を行い、従業員が外国人講師から仕事で生かせる英会話を学んだ。今後も継続していく方向で検討している。
またNPO法人土湯温泉観光まちづくり協議会は同市在住の外国人を招いた体験ツアーを企画、土湯温泉観光協会は英語版パンフレットを作り、仙台空港(宮城県)などで配布した。
観光協会の池田和也事務局長(59)は「外国人観光客に来てもらうだけでなく、お金を使ってもらうことが最終目的。外国人が何に興味を持ち、何に消費するのかを考え取り組みたい」と話した。
(福島民友)