観光ハラール対応をすれば、新たな市場も広がる
東北のイスラム教徒の留学生らを招き、同市内で6月26日、交流会を開催し、約80人が参加。業者がハラール対応の牛タン、白石温麺(うーめん)など宮城の名産を振る舞った。いずれも大変好評で1時間ほどでなくなった。
食品製造を手掛ける社会福祉法人「はらから福祉会」(宮城県柴田町)は厚揚げやパンを提供。禁止されているアルコールが含まれていないかなどを確認するため、調味に使うしょうゆから包装内の脱酸素剤まで詳しく調べた。
同法人就労支援部の小石沢邦彦部長は、厚揚げの人気に驚いた様子。「ハラール対応をすれば、新たな市場も広がる」と可能性を見いだしていた。インドネシアから東北大に留学しているミルザデリア・デバナスティヤさんは「初めての牛タンは最高。友人が仙台に来たら食べさせたい」とハラール対応の拡大に期待した。
交流会の開催に協力した「メイドインジャパン・ハラール支援協議会」(東京)の高橋敏也理事長は「イスラム教徒を安心させる食品の情報開示や体制整備が進めば、食材が豊かな東北は、食の魅力だけでインバウンドを呼び込める」と話した。
日本政府観光局(JNTO)によると、2016年のインバウンドのうち、国別で前年比伸び率が最も高かったのがインドネシア。3番目がマレーシアだった。両国ともイスラム教徒が多い。
仙台市内では6月、東北のホテル、旅館事業者らによるハラール食の勉強会も開かれた。JTB東北の担当者が専用の調理器具を準備するよう要請した。
(河北新報社)