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人・産業人口が減る中で企業を成長させるには人材が大事

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青森ダイハツに6人いる女性整備士の1人、山口さん=8月11日、青森市の青森石江店
事務職に営業職、整備士と幅広い職域で女性が活躍している自動車販売会社が、青森県内に10店舗を構える青森ダイハツモータース(青森市)だ。従業員約290人中、女性は約60人と同業種の中では女性の比率が高いという。

2013年6月、栃木ダイハツ販売社長だった松沼光男氏(64)が青森ダイハツ社長に就任すると、働き方改革に取り組んだ。残業時間を削減しオフィスを改装。女性整備士がいる店舗には更衣室を設置するなど、社員が働きやすい職場環境づくりに力を入れている。

青森石江店(青森市)の整備士山口怜奈さん(21)は「重い部品を持つ時はほかの人が助けてくれるし、分からないことは丁寧に教えてくれる。女性で困ることはありません」と笑みを見せる。

人材育成も重視する。社員教育を手掛ける東京の企業が実施するセミナーに女性社員を派遣。参加者は全国から集まる受講生の刺激を受けながら、スキルアップにつなげている。

松沼社長の根底には、人口減少への危機感がある。「人口が減る中で企業を成長させるには人材が大事。能力が高いのに、『女性は一歩引いて言われた仕事だけをやればいい』ではもったいない。男女共に活躍できる風土をつくるのが私の役目」と強調する。

女性社員が企画、運営するイベントに、地元の作家が手作り雑貨などを販売する「ダイハツマルシェ」がある。屋根付きの中古車展示場を活用し、毎回親子連れらでにぎわう。9月10日の5回目は約90店が出店予定だ。

「マルシェをやっても当社のもうけはゼロ。車の宣伝にもならない。地域の活性化になればという思いで続けている」。松沼社長は長い目で見つめている。

(東奥日報)