食北国の保存食「飯ずし」を全国で出張販売 / 熊谷食品(青森県弘前市)
同社の飯ずしは、ニシンやサケ、ハタハタ、サンマなどの魚やタケノコを酢にひたし、もち米やニンジン、ショウガと一緒に漬け込み、熟成させる。熊谷孝志代表取締役(70)は「締めさばはおいしいが、飯ずしは水分を抜くのでさらにうま味が凝縮される。『生臭い』と魚を敬遠する人にも食べてもらえる」と説明する。
同社は、大根を白菜で巻いた看板商品の漬物「葉くるみ漬」などと共に、飯ずしを全国の物産展で出張販売。出店数は1カ月で平均12〜15カ所に上り、一度に4カ所を掛け持ちすることもあるという。
熊谷代表は「関西や九州では飯ずしになじみがない人がほとんどだが、試食すると『おいしい』と言ってもらえる」と頬を緩める。マリネ風の食べ方を勧めるほか、海外からは「パンに挟んでサンドイッチとして食べたらおいしかった」との知らせも届いたという。北国伝統の味が広がりをみせている。
(東奥日報)