食広野町 バナナで復興後押し
栽培しているのは岡山市の農業法人D&Tファームが開発したバナナ。凍結解凍覚醒法と呼ばれる技術で寒冷地への順応性を高める。糖度が高く、無農薬栽培のため皮ごと食べられるのが特長だ。
ビニールハウス二棟に計約二百株を植え、来春までに約三万五千本を収穫する。販売先は首都圏の高級フルーツ店をはじめ、福島県内のスパリゾートハワイアンズ(いわき市)やJヴィレッジ(楢葉町・広野町)などを予定している。
原発事故発生後、広野町に緊急時避難準備区域が設定され、ほぼ全町民が一時、町を離れた。同区域は二〇一一年九月に解除され、現在は約87%の町民が町に戻っている。
長い名称には町の魅力が詰まっている。中津弘文社長(62)は「震災では全国から多くの支援をいただいた。恩返しの思いも込めたバナナを全国の人に味わってほしい」と願う。
(福島民報)