食いぶりがっこ 伝統食の食べ方多様化

いぶりがっこ製造の老舗「雄勝野きむらや」(湯沢市)は、年間約55万本を作る。これは15年前の倍だ。木村吉伸社長(46)は「自然な味わいが素朴な秋田のイメージとマッチし、お土産として定着している」と話す。
首都圏などの百貨店や飲食店にも卸している。パスタソースやパンの具として使う店が増えているほか、瓶詰にして販売する店もある。
細かく刻んだいぶりがっこ入りのタルタルソースは、タマネギ、薫製卵とまぜ、ほのかな甘みとコクがあるのが特徴だ。製造元の伊藤漬物本舗(同市)は「トーストや唐揚げなどいろんな料理に使える」。6年前の発売以来、着実に販路を広げている。
同社は、いぶりがっこの粉末をまぶした煎餅も製造。伊藤明美社長(60)は「いぶりがっこは大きな可能性を秘めた食材。今後も積極的に新商品を売り出していく」と意気込む。
(秋田魁新報)