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中野イベント2019東北復興大祭典なかの

東北和牛のサイコロステーキなど東北の食をPRするAKB48のメンバーら

東北和牛のサイコロステーキなど東北の食をPRするAKB48のメンバーら。
多くのファンがブースに詰め掛けた=10月26日、東京・中野
 東日本大震災からの復興を支援するため東北地方の食材など特産品や観光をPRするイベント「2019東北復興大祭典なかの」(実行委主催)が10月26、27の両日、東京都中野区のJR中野駅周辺で開かれた。
東北七新聞社協議会は「とうほく創生Genkiプロジェクト」の一環として、東北6県で肥育されたブランド牛「東北和牛」のサイコロステーキを販売。
今年からプロジェクトのPR大使を務めるAKB48チーム8の3人も協力し、東北の魅力を伝えた。

東北で育った和牛の味が大勢の来場者を魅了

「とうほく創生Genkiプロジェクト」のブースでは「東北和牛」のサイコロステーキ約980食を販売した。
26日はAKB48チーム8の宮城県代表・佐藤朱(あかり)さん、秋田県代表・布谷(ぬのや)梨琉(りる)さん、岩手県代表・井上美優(みゆう)さんがPRに協力。肉のうま味を生かしたステーキを多くの人が堪能した。

「東北和牛」は、岩手県一関市に2014年に設立された牧場で繁殖した牛を東北6県で肥育した全農グループのブランド牛。同牧場は今年3月末で約3千頭の繁殖牛を飼養している。

子牛の繁殖はJA全農北日本くみあい飼料(仙台市)が担い、生まれた子牛は肥育農家に売るのではなく、委託管理料を支払って育ててもらう。
子牛を太らす飼料は同社が提供し、農家が安定した収入を確保できる仕組みだ。同社の繁殖牧場は将来の生産を担う後継者育成のための役割も担っている。

ステージイベントでは、AKBの3人と同社執行役員生産部部長の片平寿(ひさし)さんが東北和牛の魅力を紹介した。
試食した布谷さんは「本当に軟らかい」と満足げ。片平さんは生産者が減少している生産現場の様子を紹介。「東北和牛の取り組みで、東北の生産基盤の維持・拡大に取り組んでいきたい」と力を込めた。

東北七新聞社協議会は「とうほく創生Genkiプロジェクト」について説明。人口減少を克服し、東北が活力を取り戻すことを目標に食や観光、人・産業の各分野で先駆的な試みを特集紙面で発信する取り組みを紹介した。全農関係者は各県の自慢の食材をアピールした。

「東北復興大祭典なかの」は東京都中野区などによる実行委が開き、今年で8回目の開催。各県を代表する祭りの踊りなどをステージで披露。会場内には、東北の野菜や果物、新米などを販売するブースが並んだ。

実行委員会委員長の中鉢泰平(ちゅうばち・たいへい)さん(76)=宮城県出身=は「復興の明かりを消さないという強い思いをこれからも発信していきたい」と強調する。

各県産の果物や新米、加工品を販売

「とうほく創生Genkiプロジェクト」のブースで東北の食材を販売する全農関係者ら
「とうほく創生Genkiプロジェクト」のブースで東北の食材を販売する全農関係者ら

JA全農は、東北の農産物をPRしようと「とうほく創生Genkiプロジェクト」のブースで各県産の果物や新米、加工品を販売した。

旬を迎えたリンゴやブドウが並んだほか、トマトやニンジンのジュースなどを販売。
新米は「東北六県絆米」として青天の霹靂(へきれき)(青森県)、銀河のしずく(岩手県)、だて正夢(宮城県)、あきたこまち(秋田県)、雪若丸(山形県)、天のつぶ(福島県)を食べ比べできるよう約300グラムごとに小分けして販売し、各県の魅力をPRした。

AKBのメンバーも協力し、各県の全農関係者が各地の生産品の特徴を紹介。大勢の来場者が気に入った品を買い求めた。

母親と会場を訪れた東京都中野区の桃花(とうか)小1年・永松遙大(はると)君は「東北では山形県に行ったことがあるが、おいしいものがいっぱいあった。東北の食べ物を東京でも味わうことができてうれしい」と喜んだ。

プロジェクトへの意気込み

AKB48チーム8の佐藤朱さん、井上美優さん、布谷梨琉さん
「とうほく創生Genkiプロジェクト」のPR大使を務めるAKB48チーム8の(左から)佐藤朱さん、井上美優さん、布谷梨琉さん

「とうほく創生Genkiプロジェクト」のPR大使を務めるAKB48チーム8の宮城県代表・佐藤朱(あかり)さん、秋田県代表・布谷梨琉(りる)さん、岩手県代表・井上美優(みゆう)さんにプロジェクトへの意気込み、東北の魅力、一押しの食を聞いた。

佐藤朱さん
仕事で復興に携わることができ、ありがたい機会だった。私も被災を経験しており、少しでも東北の力になりたいとの思いで参加した。
「東北復興大祭典」は東北の活気を体感できるイベントだった。東北の魅力は、人の心が温かいところ。お互いに助け合うことで、東日本大震災後も乗り越えてこられたと思う。
心が温かな人たちがいるからこそ、東北のおいしいものや観光名所を楽しみに来たときに、さらにいい思い出ができると思う。ぜひ東北に遊びに来てほしい。一押しの食べ物は牛タン。

布谷梨琉さん
「東北復興大祭典」は東北の魅力が詰まったイベント。地元にいるようでアットホームな雰囲気だった。大勢の人が東北の魅力を知ってくれたと思うので、さらにそこから広がってくれればうれしい。
東北和牛のサイコロステーキは想像よりも軟らかかった。東北の魅力は6県ごとに誇れる特産品や名所が多くあるところ。秋田県にもきりたんぽ、いぶりがっこなど有名な食があるが、より深く知ってほしい。
地元の人もあまり知らないような情報を発信していきたい。一押しの食はハタハタ。

井上美優さん
「東北復興大祭典」は想像以上に多くのブースが並び、すごくにぎわっていた。多くの東北の物品が販売され、東北の良さをアピールするいい機会となった。
東日本大震災では、私の住んでいる岩手県も甚大な被害を受けたが、(釜石市も会場となった)ラグビーワールドカップ(W杯)では多くの人が来てくれた。
被災地の雰囲気も震災当時と比べて変わってきたが、仮設住宅もまだ残っている。復興はまだ途中だ。いろんな食べ物がおいしい東北をPRしていきたい。一押しの食べ物はそば。