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人・産業震災ガイド教訓発信/岩手県「おらが大槌夢広場」

東日本大震災で被災した海岸で、小学生に命を守る大切さを伝える神谷未生さん(右)=2020年9月10日、岩手県大槌町
東日本大震災で1286人が犠牲になった岩手県大槌町。被災地ツアーの実施などを通じて、まちづくりに取り組む同町の一般社団法人おらが大槌夢広場(神谷未生代表理事)は、命を守る教訓を発信し続けている。

「自分だったら何ができるのかという視点で考えてほしい」。修学旅行で訪れた秋田県の上小阿仁(かみこあに)小中の6年生10人に神谷さん(45)が訴えた。

被災現場で語るのは当時の状況や、なぜ多くの犠牲者が出たのか、そして遺族の無念さ。大切にするのは「自分事として考えてもらうこと」だ。参加した北郷紫音さんは「命の大切さを改めて考えた。自宅の避難場所を確認し、防災グッズをそろえたい」と力を込めた。

同法人は、飲食店主や水産加工業者など異業種のメンバーで2011年11月に発足。「復興食堂」の運営や教育活動など多様な事業を展開する。現在は同町で唯一、語り部ガイドを行い、研修の受け入れや若手育成事業、町文化交流センターの指定管理も担う。

震災からまもなく10年。神谷さんは「まちづくりの一つとして防災、伝承の活動がある。思いがある人の挑戦の最初の一歩を後押ししたい」と未来を見据える。

(岩手日報)