食活きる食/地ニンジン復活 着々6次産業化 @福島・会津
会津のオタネニンジンは、会津藩の礎を築いた戦国武将・蒲生(がもう)氏郷(うじさと)が種を持ち込んだことに始まるとされる。昭和末期に約300戸あった生産農家は、海外産に押され徐々に減少。一時は栽培も途絶えかけたが、2013年に生産技術を後世に残そうと研究会が設立され、復活ののろしが上がった。
オタネニンジンは、薬用ニンジンなどとも呼ばれ漢方薬原料として重宝されるが、天ぷらなど食用でも独特の味わいが魅力。ただ収穫まで約5年を要し、栽培も難しいことが生産の課題だ。
研究会は県などと協力し効率的栽培技術の研究やブランド化を進めており、会津各地でオタネニンジンを使った6次化商品の開発や関連イベントも相次ぐようになった。生産農家も増加傾向にあり、清水事務局長は「これまでの栽培方法も大切にしつつ、より付加価値のあるものとしてオタネニンジンを発信したい」と話す。
(福島民友)