食活きる食/追熟カボチャ ますます甘く @岩手・一関

「表面が白い粉を吹きだしたら収穫どき」。生産する骨寺村(ほねでらむら)荘園カボチャ研究会の佐藤弘征会長(76)は、同市厳美町の畑で有機栽培する南部一郎の出来に目を細める。収穫後も約1カ月かけじっくりと追熟。糖度15度以上になり、ようやく出荷となる。
日本在来種「鶴首カボチャ」を改良した岩手県オリジナル品種で、同研究会が2008年から生産する。栽培の中心地である厳美町の本寺地区はかつて「骨寺村」と呼ばれ、中尊寺経蔵(同県平泉町)の荘園だった。同研究会は中世の農村景観を守り伝えるために地域農業の振興を目指し、南部一郎の特産化に力を入れてきた。
現在は会員46人が作付けし、昨年の生産量は9・3トンほど。全国的に知名度が高まっており、確かな手応えをつかんでいる。佐藤会長は「まだまだ大きな可能性を秘めている。業者とも連携し、ペーストやパウダーを使った加工品の種類も増やしたい」と展望を描く。
(岩手日報)