食活きる食/ハタハタずし 個性いろいろ @秋田
今は水産加工会社が作るハタハタずしも広く出回っている。同市の三高水産は例年、年間約10トンのハタハタを使用し、県内の市場や土産品卸会社を中心に通年販売。同社は今年、10月下旬から正月用に販売する商品の仕込みを始めた。酢漬けしたハタハタに米、こうじ、ニンジン、カブなどを加え、たるの中で約3週間熟成させると、適度な甘みと酸味を持つハタハタずしの完成だ。
伝統食に詳しい秋田市の塚本研一さん(62)=元秋田県総合食品研究センター食品加工研究所長=によると、県内でも県北、県央、県南の3地域で製法に特徴があり、味も異なる。
男鹿市を含む県央はこうじを入れて乳酸発酵を促して作る。県南は砂糖を多く使うため甘みが強い。こうじを使わない県北は熟成期間が短く、あっさりとした味わいに仕上がる傾向にある。
「製法が異なる各地の味を食べ比べてみるのも面白い」と塚本さん。三高水産の夏井勝博社長(64)は「酒のつまみにもいい」と話す。
(秋田魁新報)