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観光宿泊支払いに仮想通貨 先進技術で決済便利に

仮想通貨での支払いについて説明する山人の従業員(左)。利便性と誘客効果の向上を期待する=2021年8月、岩手県西和賀町

岩手県西和賀町湯川で温泉宿泊施設を運営する山人(高鷹政明社長)は、世界共通の仮想通貨による料金支払いシステムを導入した。新世代型ブロックチェーンを活用し、利便性と誘客効果の向上を狙う。

緑に囲まれ、各部屋に半露天風呂を備える「山人—yamado—」のフロント。チェックアウトする客を前に、従業員がパソコン画面で宿泊・サービス料の決済履歴を確認した。現金のやりとりはない。

用いる仮想通貨は「XYM(ジム)」。客が宿泊券の2次元コードをスマートフォンの専用アプリで読み取り、ブロックチェーン「Symbol」に接続して送金する。外国人客は自国通貨を円に替える手間が省ける。

5月に運用を始め、初期投資は不要。1カ月ほどで約50万円相当の決済があった。国内の業界ではまだ普及していないシステムで、関心を集めている。

秋田県境の山あいに位置し、豪雪地帯の同町は人口5300人(7月末現在)に対し、高齢化率が50・6%と高い。佐々木耀支配人(31)は「最先端技術の活用は、都市も地方も条件が同じ。集客効果だけでなく、地元の若者たちが希望を感じて定着するきっかけにもしたい」と期待する。

(岩手日報)