人・産業AIでポリープを自動検出 診察時間短縮や見落とし防止 会津大で研究進む
福島県会津若松市にある会津大の研究室の一室。生体情報学講座の朱欣上級准教授(44)が見詰める画面の先は、大腸の内視鏡検査の映像だ。人工知能(AI)を活用し、映像から、がんの由来となるポリープを自動検出する研究に取り組んでいる。医療機関と特定臨床研究を進めている。
ポリープの特徴的な形状や色などのデータを収集し、AIに学習させている。内視鏡の映像からAIが瞬時にポリープを発見し、その部位を画面上に映し出す。
この仕組みは診察時間の短縮や見落としの未然防止の他、若い医師の教育支援につながると期待されている。現在地元の福島医大会津医療センターをはじめ、栃木県や京都府の医療機関との臨床研究が行われている。
朱上級准教授は、がんの進行度に当たる「深達度」にも着目している。粘膜の下層まで進行しているかを客観的に推測するシステムの構築を目指している。全国の10医療機関から5千近い疾患データの画像を収集し、解析を進めている。
朱上級准教授は「実用化すれば、へき地でもより良い医療が受けられる。医療現場を支援することで医師不足の解消の一助となる」と話した。
(福島民報)