Genki

人・産業写真整理代行サービス 工場現場の負担軽く

全国の工事現場の写真を遠隔操作で処理する小田島組の従業員と小田島直樹社長(右)=2021年9月24日、岩手県北上市

長時間労働が課題とされる建設業界にあって、岩手県北上市の小田島組は、IT技術を取り入れた業務代行サービスで、他社の残業削減を後押ししている。

ガラス張りのオフィスで若手社員がパソコンに向かう。つながる先は遠隔地の工事現場のパソコン。道路の場合、撮影した写真を端末に取り込むと、同社からリモートで入り、工事名や幅員、舗装の厚みなどを入力する。

これは同社の写真整理代行サービス「カエレル」。例えば1億円規模の工事を請け負った企業は、工期中に4千〜6千枚の写真を撮る。全てに施工情報を付して発注元に提出する必要があり、現場監督が帰社後に残業で当たるケースが多い。それを代行する。

自社内の試みとして2018年に始めると、1カ月の残業時間が以前の4分の1に。同業他社へのサービスとしても展開し、大手を含む30社以上が利用している。今後は作業用ロボット「RPA」を本格導入し、代行業務の範囲を書類作成にも広げる。

「ITを活用して分業を進めれば、仕事のスピードや品質が格段に高まる」と小田島直樹社長(57)。目指すは現場の事務を一手に引き受ける「建設業のセントラルキッチン」だ。

(岩手日報)