人・産業写真整理代行サービス 工場現場の負担軽く
長時間労働が課題とされる建設業界にあって、岩手県北上市の小田島組は、IT技術を取り入れた業務代行サービスで、他社の残業削減を後押ししている。
ガラス張りのオフィスで若手社員がパソコンに向かう。つながる先は遠隔地の工事現場のパソコン。道路の場合、撮影した写真を端末に取り込むと、同社からリモートで入り、工事名や幅員、舗装の厚みなどを入力する。
これは同社の写真整理代行サービス「カエレル」。例えば1億円規模の工事を請け負った企業は、工期中に4千〜6千枚の写真を撮る。全てに施工情報を付して発注元に提出する必要があり、現場監督が帰社後に残業で当たるケースが多い。それを代行する。
自社内の試みとして2018年に始めると、1カ月の残業時間が以前の4分の1に。同業他社へのサービスとしても展開し、大手を含む30社以上が利用している。今後は作業用ロボット「RPA」を本格導入し、代行業務の範囲を書類作成にも広げる。
「ITを活用して分業を進めれば、仕事のスピードや品質が格段に高まる」と小田島直樹社長(57)。目指すは現場の事務を一手に引き受ける「建設業のセントラルキッチン」だ。
(岩手日報)