観光あぶくま洞で探検を 地元研究会が旅行商品づくり 福島県田村市
福島県田村市の滝根観光振興公社職員らでつくる「あぶくま洞調査研究会」は、地元の観光鍾乳洞「あぶくま洞」と周辺の洞穴で探検をテーマにした旅行商品づくりを始めた。日本洞穴探検協会などと連携し、ルートの設定や案内役の育成を進める。雄大な自然を体感してもらい、誘客の目玉にしたい考えだ。
あぶくま洞は、照明や通路のある約650メートルの公開部分の他に、未公開部分が約2400メートルある。近くの国天然記念物「入水(いりみず)鍾乳洞」にも一般には公開していない場所があり、さらに近隣には「鬼穴(おにあな)」やA〜F洞などの洞穴が点在する。中は真っ暗で、大人一人がようやく通り抜けられる狭い場所もある。観光需要は「見る」から「体験」へと変化しており、「探検」に着目した。
課題は安全の確保だ。暗く窮屈な場所では不安感が高まり、観光客がパニックになる心配がある。適切なルート設定と案内、緊急時の備えが必要で、研究会は探検協会の指導・助言を受けて研修を重ねている。モニターツアーを7月に実施した。
公社職員で研究会に所属する伊藤勝成さん(32)は「関心を示す旅行会社も出てきた。態勢が整い次第商品化したい」と話している。
(福島民報)