医療住民が「健幸増進リーダー」
短命県の返上目指し
男性77・28歳、女性85・34歳。厚生労働省が今年公表した2010年の青森県の平均寿命で、男性は1975年から、女性は2000年から全国最下位が続いている。短命県返上を目指し青森県は11日、青森市で「平均寿命サミット」を開催。青森と長寿日本一の長野、かつての長寿県沖縄の3県の医療・保健・行政関係者が一堂に会し、健康で長生きするための取り組みについて意見を交わした。
サミット開催の旗振り役となったのは、弘前市岩木地区で「岩木健康増進プロジェクト」を推進している弘前大学大学院医学研究科の中路重之科長。中路科長はサミットで講演し「青森県民は長野県民に比べ40~50歳代の死亡率が2倍と若い世代の早死にが多い」と指摘。喫煙、飲酒、肥満などの生活習慣や健康診断受診率の低さを理由に挙げ、一人一人の意識改革を訴えた。
弘前大が弘前市などと取り組んでいる岩木健康増進プロジェクトは、自分の健康状態や生活習慣病の怖さ、健康づくりの正しい知識を住民に理解してもらうことを重点に、健康診断を継続的に実施。12年からは意欲ある住民を「健幸(けんこう)増進リーダー」に認定し、周囲の人々に、生活習慣の改善や健診を受ける機会を増やす取り組みを始めている。
同科社会医学講座の高橋一平准教授は「健診や健康講座に来ない人こそ、本当のターゲット。関心の低い人に健康づくりの大切さを伝える仲間を増やしていきたい」と話した。
【東奥日報社】