家族NPO法人みなとまちセラミカ工房(宮城県女川町)
スペインの工芸品「スペインタイル」は、幾何学模様やイラストが色鮮やかに描かれている。
東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県女川町のNPO法人「みなとまちセラミカ工房」は、地元の仮設商店街「きぼうのかね商店街」に工房を構える。
メンバーが作った異国情緒あふれるスペインタイルを販売し、絵付けの体験もできる。普段は女性客が多いが、休日は家族連れの姿も目立つ。
代表の阿部鳴美さん(52)は「小学生のときの図画工作を思い出すのか、1回やるとはまる人が多い。子どもも集中して取り組んでいる」と語る。
体験教室は7・5センチ四方のコースターに絵付けする。粘土を素焼きしたタイルに鉛筆でデザインを下書きし、上薬で色付けする。工房で1000度近い釜で焼き上げ、3週間ほどでオリジナルのコースターが手に入る。
友達と訪れた石巻市蛇田小3年の佐藤志暢君(8)は「鉛筆の線からはみ出さないように色を付けるのが難しかった。出来上がるのが楽しみ」と声を弾ませた。
阿部さんは震災後にスペインタイル作りを始め、昨年6月に工房をオープンさせた。女性6人で作品を販売したり、教室を開いたりしている。
「復興していく街並みにスペインタイルをたくさん使ってもらい、港町を明るく彩りたい」と阿部さん。町の復興のシンボルにと願っている。
体験料金は2000円で電話(0225・98・7866)予約が必要。
【編注】あべ・なるみ/さとう・しのぶ
【河北新報社】