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弁当で競技力サポート
東北女子大学(青森県弘前市)の学生考案

スポーツ選手や子どもの競技力アップ、体づくりを昼食でサポートしようと、青森県弘前市の東北女子大学家政学部の学生たちが弁当「アスリートランチ」を考案した。今年1月から地元の弁当店「小銭亭」に製造、販売を委託。4月には春・夏の食材を使った第2弾を発売した。

 県立広島大学名誉教授でもある加藤秀夫学部長が、同大で企画し、評判を得ている弁当の経験を今回の弁当開発に生かした。
 体内時計と食の関係性(時間栄養学)を研究する加藤学部長によると、夕方に激しい運動をすると成長ホルモンが出やすくなる。そのタイミングをはかり、食後5~6時間で栄養が吸収される昼食の内容を考えると体づくりに効果的という。

 弁当は2種類で各500円(税別)。同学部の4年生7人が、栄養価の相乗効果と旬の食材、地産地消を意識して考案した。
 運動量の多い高校生・成人向けは、ご飯の糖質でスタミナづくりをし、メーンの酢鶏をはじめ、焼きザケ、ゆで卵のタンパク質で筋力アップを狙う。また、抗酸化作用のあるビタミンCを生野菜で取り入れる。8品で872キロカロリー。

成長期の小中学生向けには、体力などの向上に加え、カルシウム補給のため、チーズをサラダと組み合わせた。トマトソースのハンバーグをメーンに、カレー粉を入れて食べやすくしたパプリカの酢漬けなどが並ぶ。7品で843キロカロリー。

高校生・成人向けメニューづくりに携わった佐藤由衣さんは「材料費を250円くらいに収めなければならない中で、旬を考え何を入れるか決めるのが難しかった。弁当なので冷めてもおいしいものでなければならない。変色したりしないよう、調味料も工夫した」と振り返った。

小中学生向けメニューを考えた西村幸恵さんは「青森県は運動習慣のある子どもと、ない子どもの二極化が進んでいる。昼のお弁当がスポーツと食事の大切さを知る機会になってほしい」と期待した。

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弁当店の小銭亭にとって、大学との共同開発は初めて。米やゴボウ、キャベツ、小松菜など県産食材を使うよう心掛けている。小林陽子店長(45)は「他の弁当でも野菜は入れているが、ここまで栄養にこだわった弁当はない」と強調。「単におなかを満たすだけでなく、体のためになる弁当」と話す。

リンゴを取り入れた秋・冬用の第3弾を10月に発売するほか、中・高年向けに活力の出るランチも開発する予定だ。

【東奥日報】