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ドラマで全国的な人気
岩手・三陸リアス亭「うに弁当」(岩手県久慈市)

岩手県久慈市の三陸鉄道久慈駅舎にある「三陸リアス亭」の「うに弁当」は、春から秋にかけ1日20個、限定販売される。すぐに売り切れ「幻の」とも呼ばれる名物弁当は、昨年放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で取り上げられ、全国的な人気商品となった。

三陸鉄道が開業した1984年、同市小久慈町の佐々木清雄(せいゆう)さん(77)、工藤クニエさん(75)夫婦が弁当販売を始めた。

佐々木さんの実家は普代村で旅館を営んでいた。旅館で作ったウニやイクラ、イカめしなどの弁当を列車内で売っていた。その中から「お客さんが選んでくれた」(工藤さん)という一番人気がうに弁当だった。旅館は約20年前に閉め、弁当部門が久慈駅で営業を続けた。包装紙には今でも「清雅(せいが)荘弁当部」と旅館の名前が残っている。

2011年3月11日の東日本大震災で、三陸鉄道は駅舎流失や線路寸断など甚大な被害を受け、夫婦は廃業も考えた。しかし、宮崎県から激励に駆け付けた人もいるなど全国からの励ましもあり、継続を決めた。

工藤さんは「あまちゃん」で宮本信子さんが演じたヒロインの祖母役「夏ばっぱ」のモデルの一人ともいわれている。お客さんと一緒に納まった写真アルバムが宝物という工藤さんは「みんなに励まされてここまできたので、勝手にはやめられないね」と恩返しの気持ちも込め弁当を作っている。

うに弁当は1470円(税込み)、問い合わせは三陸リアス亭(0194・52・7310)へ。

【岩手日報】